1971年、紛争が激しさを増していた北アイルランドのベルファスト。そこではアイルランドの統一を目指すカトリック系住民と、英国との連合維持を望むプロテスタント系住民の間の緊張が頂点に達していた。英国軍の新兵ゲイリーは、治安維持を目的に、この混沌のベルファストへと送り込まれる。ところが、パトロールを開始した部隊が早々に暴動に巻き込まれ、混乱の中で武器を盗まれてしまう。慌てて後を追うも、その間に部隊は撤退してしまい、ゲイリーはたった一人で敵陣のまっただ中に取り残されてしまう。様々な勢力が入り乱れ、誰が敵か味方かも分からない状況の中、必死でこの危険地帯からの脱出を試みるゲイリーだったが…。
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原題:'71
製作国:イギリス
初公開年月:2015/8/1
監督:ヤン・ドマンジュ
製作:アンガス・ラモント、ロビン・グッチ
製作総指揮:サム・ラヴェンダー、テッサ・ロス、ダン・マクレイ、ダニー・パーキンス、ヒューゴ・ヘッペル、マーク・ハーバート、リジー・フランク、レスリー・フィンレイ
脚本:グレゴリー・バーク
撮影:タト・ラドクリフ
プロダクションデザイン:クリス・オッディ
衣装デザイン:ジェーン・ペトリ
編集:クリス・ワイアット
音楽:デヴィッド・ホームズ
出演:ジャック・オコンネル(ゲイリー・フック)、ポール・アンダーソン(レスリー・ルイス)、リチャード・ドーマー(エイモン)、ショーン・ハリス(サンディ・ブラウニング)、マーティン・マッキャン(ポール・ハガティ)、チャーリー・マーフィ(ブリジッド)、サム・リード(アーミテージ中尉)、キリアン・スコット(クイン)、デヴィッド・ウィルモット(ボイル)、バリー・コーガン(ショーン・バノン)
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その帰属をめぐる対立が激しい紛争へと発展していた71年の北アイルランド・ベルファストを舞台に、戦場と化した街中で孤立してしまった一人の若い英国軍兵士の決死のサバイバルを描いた緊迫のサスペンス・ドラマ。主演は「ユナイテッド-ミュンヘンの悲劇-」のジャック・オコンネル。監督は英国のTVドラマ界で活躍し、これが長編劇映画デビューのヤン・ドマンジュ。
★予告★
舞台は72年に起こった血の日曜日事件前夜の71年のある日の北アイルランド・ベルファスト。
ベルファストで住民が揉めてるみたいだから治安維持目的でちょっと見てこい、程度の装備で現場に向かった若い英国軍兵士らが、カトリック勢力住民から激しく抵抗され、暴動に発展。経験も装備も不十分で、且つ使命はあくまでも治安維持であり、相手が暴力的であっても一般人に対して武力行使は出来ない。そんな混乱の中、主人公のゲイリーがはぐれて丸腰のまま一人取り残され、IRAメンバーから追われる話。
日本では馴染みが薄く情報も少ないが、北アイルランド紛争の中でも特に衝撃的な事件である72年の血の日曜日がどうして起こったのか、そこに至る背景と当時の緊張感が自然と理解できる。
IRA内部にも過激な暫定派と穏健派がおり、プロテスタント勢力の中には英国軍の工作員もおり、追われるゲイリーを救出ため、あるいは始末するために二転三転する駆け引きがスリリングに描かれ、目が離せない。
ゲイリーと共に出動した兵士たちは当然ゲイリーを救出したいが、緊張下でのベルファストにおいて話は単純にはいかない。単なる新兵の命に頭数以上の価値は無いのだ。
一方、まだまだ経験も覚悟も未熟なゲイリーの逃走劇は、サスペンススリラーとして非常におもしろく、ドラマチックでもある。
クッソ生意気でかわいい小さな彼らは、それぞれに強固な信念があり、しかし立たされている現実は残酷でやり切れない。
全編見どころ満載でしたが、個人的に印象的だった場面はゲイリーの腹部の傷の縫合シーン。
あれはなんだ。演じてるジャック・オコンネルの痛がり方も本当に痛そうで、可哀想で可哀想で泣きそうになった。わたしは痛みの場面には強い方だと思いますが、あれは痛いよ!
なぜこんなことになってしまうのか、考えずにはいられない。相当おもしろいですよ。
でも都内は新宿武蔵野館1館のみの上映で、今週いっぱいで終わりそうです。ソフトが出てからでも是非。
ところで、MRFの将校ブラウニングの声にとっても聞き覚えがあると思ったら、
右の人。敵を逃がして貸しを作るとは恐ろしい
数日前に観た「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」でシンジケートのボスのレーンを演じているショーン・ハリスだった。
一瞬見せる冷徹さにシビレる
ちなみに「プロメテウス」で、ミルバーンと洞窟で迷ってゾンビ化するファイフィールド役でもあります。
顔が長いと思ったら大間違い
あと観てる人は少ないと思いますが、「NY心霊捜査官」で悪魔に取り憑かれたサンティノという恐ろしい役や、
上半身裸でタトゥーの人
「0:34 レイジ34フン」という、微妙ではありますがわたしは嫌いじゃないよ、というホラー映画にも出ています。
完全にクリーチャーですが、身のこなしがGood!!
とにかくちょっと気持ち悪い役(「0:34」は特に気持ち悪い)が多いのですが、毎度毎度外見が違いすぎて、声で「おや?」と気付きます。声質がちょっと優しくて、それが素晴らしくも気持ち悪い役と相まって、妙な存在感を醸し出しております。
「0:34 レイジ34フン」のクリーチャーから、とうとうM:Iシリーズのラスボスとは、嬉しいかぎり。とっても良い役者さんですよ!