第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は早々に追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そしてはてしない原野を彷徨うことになるのだった。空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものは…。
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製作国:日本
初公開年月:2015/7/25
監督:塚本晋也
製作:塚本晋也
原作:大岡昇平『野火』(新潮文庫)
脚本:塚本晋也
撮影:塚本晋也、林啓史
編集:塚本晋也
音楽:石川忠
サウンドエフェクト:北田雅也
助監督:林啓史
サウンドミックス:北田雅也
出演:塚本晋也(田村一等兵)、リリー・フランキー(安田)、中村達也(伍長)、森優作(永松)
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大岡昇平による戦争文学の傑作を「鉄男」「六月の蛇」の塚本晋也監督が執念で映画化した衝撃の問題作。凄惨を極めた太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、一人の敗残兵が極度の飢えに襲われた中で体験する戦場の狂気とその地獄絵図を通して、人間の尊厳をめぐる問いと戦争の本質に迫っていく。主人公は塚本監督自らが演じ、その他のキャストにはリリー・フランキー、中村達也、森優作。
★予告★
先に。今回はもしかしたら気持ち悪い記事かも。
話も絵面もグロいっすよ。でも空や自然の美しさもとびっきり。
塚本監督作品は強烈にアクが強いのですが視点がどこか淡白で、わたしには品が良く感じます。
登場人物の中では永松の人物像が興味深かった。
孤独は嫌だから安田と行動を共にし、安田に尽くす。そこに強い信念も教育も無くおそらくはどうしようも無い状況における思考停止ゆえ。永松は最初はイモのために田村を殺そうとしたが、後には田村にも優しく、最後には自分以外には残酷で無神経な面が溢れだす。目の前の強い者や身内しか目に入らず、罪悪感が乏しい。本質は実に身勝手。人として見下げ果てるしかない安田よりも醜悪に思えた。それは人肉食行為の是非とは違う、空虚さの果ての醜悪さだ。演じた森優作の幼く無垢な容姿やあまり達者では無い演技が功を奏していて、おそらく演じている本人が思っている以上に面白い人物になったと思う。
殺したから酷い、食べたから酷い、利己的だから酷い、殺さないから偉い、食べないから偉い、利他的だから偉い、そういう単純な物差しで図れるものではない。
人間が極限状態に追い込まれ、生存本能に逆らえずに死ぬことが出来ない。それがどれほど過酷なことか、人間としての尊厳とは何か、その状況に陥ってさえも尊厳を保つべきなのかどうなのか、極限状態で己の尊厳を捨てずにいることが後の自分にどう影響してくるか、日常に戻ってから健全な精神を保てるのか。
ところで、人肉食を受け入れるならば食糧には困らない。
一体あれば相当長持ちしそうだが熱帯の中では腐敗も早い。皆で分け合うほうが理に適っている。日持ちはどのくらいかを考えそこから逆算して一体あたり何人が適切か、さらに何人が何日生きるために何日ペースで何体必要になるかを考えるようになるだろう。しかしそうそう都合良くフレッシュな食糧が手に入るとは限らない。そうすると徐々に食糧にすべき頃合いの判断基準が下がってくるような気がするし、そうなると次は自分かもしれない、弱ったら順番が回ってくると恐ろしくなるだろう。
湧いている虫と新鮮な人体とどっちがマシか考えると悩みませんか?悩める程度の差、と言うか。
決断には宗教観が激しく影響するような気がする。日本人はそのあたりのハードルが低いかもしれないなあとか思う。個人的には、極限状態に陥って人の死体を食べてしまった人がいたとして、責める気もしないし嫌悪感が湧くとも思えないです。わたしの場合は。仕方無いとしか思えないし、それで生き延びたなら本心から良かった良かったと思うような気がする。
本当にはやってないのに自分はニューギニアで人を食ったと言う伍長と、食糧にするために人を殺して猿の肉だと言う永松と、猿の肉だと話を合わせているが実は人肉だと知っている安田。全員が嘘をついている。これは実は三人とも人肉食に対して理解を示す立場であると思う。ただタブーであり倫理に反するから露悪的な嘘をついたり、大人の態度としてやってないことにしておくのだろう。その場所が極限状態の戦場という異常な空間であるにも関わらず、平和な社会を営む上で必要な倫理感を適用するのは立派と言えるのかどうか。
愛する人と別れたくないからとかまだ死にたくないからとかで戦争は嫌だという理由とは違う。あんな地獄は嫌だ。絶対に嫌だ。そう思わせる世界が描かれている映画である。
それなりに耐性無いとキツいかもとは思うので、興味ある方は頑張って観てください。
2015年07月
1953年、スターリン政権下のソ連。ある夜、国家保安省(MGB)のエリート捜査官レオは、変死体となって発見された戦友の息子の亡骸と対面する。事件性は明白だったが、上司は“理想国家のソ連にこのような犯罪は存在しない”との理由で事故死として処理するよう命じる。疑念が拭えない中、今度は最愛の妻ライーサにあらぬスパイの容疑がかけられ、レオに妻を告発するよう圧力がかかる。これを拒否したため、レオは地方の警察署に飛ばされてしまう。するとそこで、再び少年が被害者の猟奇殺人事件に出くわす。犯人を野放しにするわけにはいかないと、署長のネステロフに協力を仰ぐレオだったが…。
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原題:Child 44
製作国:アメリカ
初公開年月:2015/7/3
監督:ダニエル・エスピノーサ
製作:リドリー・スコット、マイケル・シェイファー、グレッグ・シャピロ
製作総指揮:アダム・メリムズ、エリーシャ・ホームズ、ダグラス・アーバンスキー、ケヴィン・プランク、モリー・コナーズ、マリア・セストーン、サラ・E・ジョンソン、ホイト・デヴィッド・モーガン
原作:トム・ロブ・スミス『チャイルド44』(新潮社刊)
脚本:リチャード・プライス
撮影:オリヴァー・ウッド
プロダクションデザイン:ヤン・ロールフス
衣装デザイン:ジェニー・ビーヴァン
編集:ピエトロ・スカリア、ディラン・ティチェナー
音楽:ヨン・エクストランド
出演:トム・ハーディ(レオ・デミドフ)、ゲイリー・オールドマン(ネステロフ将軍)、ノオミ・ラパス(ライーサ・デミドワ)、ジョエル・キナマン(ワシーリー)、パディ・コンシダイン(ウラジミール)、ジェイソン・クラーク(ブロツキー)、ヴァンサン・カッセル(クズミン少佐)、グザヴィエ・アトキンズ(少年時代のレオ)、ファレス・ファレス(アレクセイ)
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2009年版『このミステリーがすごい!』で1位に輝くなど日本でも話題を集めたトム・ロブ・スミスの『チャイルド44』を「インセプション」「ダークナイト ライジング」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディ主演で映画化したクライム・ミステリー。
スターリン独裁政権下のソ連を舞台に、国家が揉み消した連続猟奇殺人事件を巡り、一人のエリート捜査官が全体主義国家の恐るべき不条理に立ち向かって真相究明に奔走するさまをスリリングに描く。共演はゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス。監督は「デンジャラス・ラン」のダニエル・エスピノーサ。
★予告★
原作にほぼ忠実なようではありますが、やっぱり相当端折ってるので、そこは割り切るってことで。
ん?ってところも多々ありますが、わたしは結構好きです。
青みがかった暗く寒々しい映像が、スターリン政権下ソ連の陰鬱とした雰囲気を醸し出していていい感じ。でも少し色調が暗すぎて、昼の屋外のシーン以外はちと見難い。
アクションシーンなんかもカメラが動きすぎだしカットは切りすぎでわかりにくい。
貨車でのアクションは場所も狭いからなのか寄り過ぎだし、色調の変化に乏しく暗い。
クライマックスの泥レスは、映っている人物は主要キャスト(しかも一人は女)なのにわかりにくい。
もっとしっかり見せてもらえないものか。せっかくトム・ハーディとノオミ・ラパスという超動いてくれる配役なのにもったいない。
ではありますが、個人的な好みの問題ではありますが、くすぐられるところが多々ありまして…。
たとえば貨車の中でレオに殴られるゴロツキの一人が本気でイヤそうな顔をしていたのがひどく印象的。あれ本当に何発かどっか殴られてるような気がする。トム・ハーディならやってる気がする。
ライーサの同僚教師との乱闘もなかなかエグくて良い。いきなりパワー系なファイト過ぎるのでヘンテコな感じですが、こういう異物感は大歓迎。
そしてノオミ・ラパスが強すぎる。
隙あらば力のある男につけ入れられるか弱く美しい妻どころか、選びぬかれたアスリートのようにキレっキレ。特に貨車の中では「いや~んレオ~レオ~」と助けを求めながらも頭突き。
ノオミとトム・ハーディのアクションはちょっと怖くてそこが良いのですが、原作を重視すると余計なことしやがって…となるというか、原作を無視したとしても怒るとやたら怖いレオと強すぎるガリガリのノオミの夫妻は、作品全体の流れからは少しおかしなことになっているのも確か。しかしこういう思わぬいびつさが見えてしまう場合、それが自分の好みに合っているとかなりエコヒイキな気持ちになるものです。
物語は、肝心の子どもに対する猟奇的な連続殺人事件というミステリー的な面は弱く、犯人の動機は時代背景から察する想像力に任せられるというか。殺人事件そのものからはドラマ性をほぼ排除し、ソ連の秘密警察の不条理な恐ろしさの中で妻と自分の良心を守る!という面を前に押し出したのかなあという感じ。
とは言ってもノオミ・ラパスの美人妻設定はさすがにちょっと無理があるような…。でも実は夫に心を開いていない様子なんか、やっぱりすごく上手。
あと、個人的には好きな役者がたくさん出ていてそういう点もうれしい。
ジェイソン・クラークなんかやっぱりターミネーターで近未来の指導者ジョン・コナーなんかやるより、こういう薄汚れた不憫な役が絶対にいい!
ジョエル・キナマンも嫉妬深くて狡いイヤ~な役で嬉しい。美形なのに後ろ暗くて粘着質な感じがいいです。「デンジャラス・ラン」の美形なのに死んだ目をした気色の悪いもう一人のセーフハウス管理人役といい、ダニエル・エスピノーサ監督作品のジョエル・キナマンはかなりツボ。「ラン・オールナイト」の正しく生きようとしている息子役も良かったけど。まあどっちにしろイケメン。
原作は三作のシリーズですが、映画のラストもシリーズ化を見据えた終わり方になっているので、続編の「グラーグ57」「エージェント6」も期待したいところではありますが、難しいだろうなあ。。。
本作のシリーズは無理かもしれないけど、「デンジャラス・ラン」もそうでしたが、ダニエル・エスピノーサ監督のどんよりとした窮屈な時間を描いたうえでドラマを動かすという作風は嫌いでは無いので今後も楽しみにしたいものです。そういえば「デンジャラス・ラン」の続編ってどうなったんだろう。
ところで、同じくトム・ハーディとノオミ・ラパス共演の「The Drop」は日本公開しないんでしょうか。すっごく観たいんですけども。
「Warrior」は日本版DVDがようやく発売されることになりましたが、映画館で観たかったなあ。「The Drop」の前年にイギリスで公開された「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」もようやくマッドマックスのタイミングで日本公開されたことだし、「The Drop」もやって欲しいなあ。
★The Drop Official Trailer★
ワンコと戯れるトムハが見れるのに!
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1年に1晩だけ犯罪を合法とするパージ法。その施行により犯罪率も失業率も劇的に改善し、アメリカはかつてない平和な時代を迎えていた。セキュリティ・システムを販売する会社のセールスマン、ジェームズ・サンディンは、売り上げも好調で、妻メアリーと2人の子どもと幸せな日々を送っていた。そんな中、今年も“パージ”の日を迎える。それでもサンディン家には、ジェームズ自慢の堅牢な防犯システムが備わっており、なんの心配も必要ないはずだった。ところが、息子のチャーリーが、家の前で助けを求める見知らぬ男性を家の中に入れてしまう。やがて男性を標的にしていた暴徒たちが玄関前に現われ、男性を引き渡すようジェームズに迫ってくるのだったが…。
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原題:The Purge
製作国:アメリカ
初公開年月:2015/7/18
監督:ジェームズ・デモナコ
製作:ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラー、セバスチャン・K・ルメルシエ
脚本:ジェームズ・デモナコ
撮影:ジャック・ジューフレ
プロダクションデザイン:メラニー・ペイジス=ジョーンズ
編集:ピーター・グヴォザス
音楽:ネイサン・ホワイトヘッド
出演:イーサン・ホーク(ジェームズ・サンディン)、レナ・ヘディ(メアリー・サンディン)、アデレイド・ケイン(ゾーイ・サンディン)、マックス・バークホルダー(チャーリー・サンディン)、 エドウィン・ホッジ(Bloody Stranger)、リース・ウェイクフィールド(Polite Stranger)
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社会安定のための過激な特効薬として、1年に1晩だけ殺人を含むすべての犯罪が合法となる制度が導入された近未来のアメリカを舞台に、図らずも残忍な殺人集団の標的になってしまった一家の決死のサバイバルの行方を描くのバイオレンス・スリラー。
主演は「フッテージ」「ビフォア・ミッドナイト」のイーサン・ホーク、共演に「300 <スリーハンドレッド>」TVドラマ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」のレナ・ヘディ。監督は「交渉人」「アサルト13 要塞警察」の脚本のジェームズ・デモナコ。製作は「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのジェイン・ブラムなど。
★予告★
アメリカでは2013年に公開され、2014年には第二弾の「パージ:アナーキー」も公開済み。日本では一作目の本作が7/18に公開され、「パージ:アナーキー」が2週間後の8/1に公開予定。
で、東京はTOHOシネマズ日劇とMOVIX昭島の2館での上映。MOVIX昭島はいいとして、TOHOはなんで日劇?日劇はスクリーンも大きいし座席も多いのですが、なにしろ座席がほぼフラットでスクリーンも低いから出来れば利用したくない。でも他でやってないから仕方ない。それにそんなに混むことも無いはずだしネ!ということで観てきました。
話はまあよくあるバトルロワイヤル系というかリアル鬼ごっこ系というかそういう殺人し放題系。
主人公は防犯システムを売りまくってるトップセールスマンで、パージ法のお陰で儲かってる。という設定をもう少し活かせると良かったのに。パージ法を否定出来ない主人公夫婦と疑問を感じている息子との気持ちの行き違いと同調とか、隣人たちとの関係とかに一応絡ませてはいるのですが、ちょっと物足りない。
一番良かったシーンは奥さんが怒りを爆発するところ。あのぐらいのキレの良さをもっと早くもっと多めに見せて欲しかった。遅すぎるわ。
侵入してきた若者達に狙われてピンチ!の場面もカメラが侵入者を少し長く写してからちょろ~っと右にずれたりするから、後ろに誰かいて助けてもらえるだろうと気付かされるのが一瞬早くなってしまう。そういうところがなんかもっさりしていてタルい。
あとチャーリーのカメラ人形がもっと活躍するかと思ったら、特にどうってことなく終わっちゃったのも残念。
侵入者のこういう見た目もイマイチ使い古されてる感が…
たぶんポイントはパージ法そのもので、暴力によって人々の不満を解消させ、平和な暮らしをもたらす、という歪さが肝なんですけども、作り物の設定で、人間って怖いわ~許されるなら人殺しもしちゃううんでしょ?というのも不愉快な話。そんな法律は現実には存在しないのに、勝手に存在した場合を仮定して敵というか悪人をでっち上げて怖がる善良さがわたしはどうも苦手だ。なのでそこは意識せずにハラハラドキドキウッヒョーとなりたいのですが、それが物足りなくて、結果的にイマイチではありました。
パージ法は矛盾というか疑問というかツッコミどころも多々ありますが、細かい設定は後付のご都合主義でいいので、発想が秀逸とかそういうのじゃなくて、ただひたすらハラハラドキドキしたいのですよ。
が、アメリカで既に続編も公開済みなのにこのタイミングで一作目と二作目を続けて公開するということは二作目がそこそこおもしろいのではないかと期待して8/1を待つとします。
つかそもそも何しても罪にならないなら、どうでもいい人を殺すよりも、強盗とかお金の方がいいよね。そこらへんの説得力も欲しかったなあ。
2029年、機械軍との壮絶な戦いを繰り広げていた人類は、抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーの活躍により劣勢を挽回、ついに勝利を手にしようとしていた。追い詰められた機械軍は、ジョンが存在した事実そのものを消し去るため、殺人サイボーグ、ターミネーターを1984年に送り込み、ジョンの母サラ・コナーの抹殺を図る。これを阻止するため、抵抗軍側はジョン・コナーの右腕カイル・リースが自ら志願して過去へ向う。ところが1984年に辿り着いたカイルは、いきなり新型ターミネーターT-1000に襲われる。その窮地を救ったのは、タフな女戦士サラ・コナーと敵のはずのターミネーターT-800だった。実はこの世界は、既にカイルの知る過去とは別のタイムラインを進んでいたのだった。
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原題:Terminator Genisys
製作国:アメリカ
初公開年月:2015/7/10
監督:アラン・テイラー
製作:デヴィッド・エリソン、デイナ・ゴールドバーグ
製作総指揮:ビル・カラッロ、レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ、ミーガン・エリソン、ロバート・コート
脚本:レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ
撮影:クレイマー・モーゲンソー
プロダクションデザイン:ニール・スピサック
衣装デザイン:スーザン・マシスン
編集:ロジャー・バートン
音楽:ローン・バルフェ
エグゼクティブ音楽プロデューサー:ハンス・ジマー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(守護神)、ジェイソン・クラーク(ジョン・コナー)、 エミリア・クラーク(サラ・コナー)、ジェイ・コートニー(カイル・リース)、イ・ビョンホン(T-1000)、J・K・シモンズ(オブライエン刑事)、マット・スミス(スカイネット/T-5000)、ダイオ・オケニイ(ダニー・ダイソン)、コートニー・B・ヴァンス(マイルズ・ダイソン)
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SFアクションの金字塔「ターミネーター」シリーズの第5弾。シリーズの顔ともいうべきアーノルド・シュワルツェネッガーが「ターミネーター3」以来12年ぶりに復帰し、シリーズの「1」と「2」の世界観をベースに、人類の未来をめぐる時空を超えた新たな戦いが描かれていく。共演はエミリア・クラーク、ジェイソン・クラーク、ジェイ・コートニー、イ・ビョンホン、J・K・シモンズ。監督はTV「ゲーム・オブ・スローンズ」のアラン・テイラー。
★予告★
なんかよくわかんなかったなあ。って最近こんな感想が多いような気もしますが。
時間軸はどうでもよくなって、スカイネットの力もよくわからなくなって、サラとジョンの重要性もどうでも良いような気がしてきて、そもそもの原因が存在しないような気もしてきた。
じゃあそういう設定的なことはどうでも良いとして、、、
サラはヤングアダルト小説のTVドラマのヒロインみたいだし、ジョン役のジェイソン・クラークは好きなんだけど全然合ってないし、シュワも含めて皆ちっとも強くなさそうなんだもんなあ。字幕の「おじさん」もなんかピンとコネー。おじいちゃんと孫みたいな関係をもっと打ち出してもいいような気がするけど、おじいちゃんにしてはシュワルツネッガーに現役感が出てしまってたし。「ラストスタンド」位のご隠居っぽさは欲しかったかなあ。
唯一、T-1000役のイ・ビョンホンだけ動けていて、イ・ビョンホンの場面だけは見応えがあった。役はあくまでもターミネーター2のT-1000の焼き直しというか模倣でしか無くて気の毒なんだけど、身体能力の高さにビリビリきた。しっかり動けると編集や演出に依存しないで済むからこういう作品の中でもイ・ビョンホンの場面になると俄然締まる。あれで前半は持ちこたえたと思う。
だもんで後半はもうさあ…
これはどういう見方をすれば正解なんだろう。
過去作に引きずられると設定が気になり、過去作を無視しようとすると話がさっぱりわからないのではないかと思うし、過去作を気にしないようにするには何しろシュワルツネッガーというノイズが大き過ぎる!
難題だわー。
シリーズものもパート5ともなるとそれなりにハードルが高くなるのが当然といえば当然なのですが、SF設定の話はさらに厳しいよね。制作費もかかるし。だったらホラー映画っすよ。そろそろホラー映画祭が到来するべき!!
アイアンマンこと“戦う実業家”トニー・スタークは、将来出現するかも知れない新たな脅威から地球を守るために、人工知能“ウルトロン”による平和維持システムを開発する。しかしウルトロンが平和を維持するために導き出した答えは、その障害となっている人類を排除するというものだった。仮の肉体を得て暴走を始めたウルトロンを阻止すべく再び集結したアベンジャーズ。そんな彼らの前に、人の心を自在に操るワンダと超高速で動く肉体を持つピエトロの超人姉弟が立ちはだかる。
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原題:Avengers: Age of Ultron
製作国:アメリカ
初公開年月:2015/7/4
監督:ジョス・ウェドン
製作:ケヴィン・ファイギ
製作総指揮:ルイス・デスポジート、アラン・ファイン、ヴィクトリア・アロンソ、ジェレミー・レイチャム、パトリシア・ウィッチャー、ジョン・ファヴロー、スタン・リー
脚本:ジョス・ウェドン
撮影:ベン・デイヴィス
視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント
プロダクションデザイン:チャールズ・ウッド
衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン
編集:ジェフリー・フォード、リサ・ラセック
音楽:ブライアン・タイラー
出演:ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク=アイアンマン)、クリス・ヘムズワース(ソー)、マーク・ラファロ(ブルース・バナー=ハルク)、クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカ)、スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウ)、ジェレミー・レナー(クリント・バートン=ホークアイ)、ドン・チードル(ジェームズ・“ローディ”・ローズ=ウォーマシン)、アーロン・テイラー=ジョンソン(ピエトロ・マキシモフ=クイックシルバー)、エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ=スカーレット・ウィッチ)、ポール・ベタニー(J.A.R.V.I.S.(ジャービス)/ヴィジョン)、コビー・スマルダーズ(マリア・ヒル)、アンソニー・マッキー(サム・ウィルソン=ファルコン)、ヘイリー・アトウェル(ペギー・カーター)、イドリス・エルバ(ヘイムダル)、ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)、ジェームズ・スペイダー(ウルトロン)、サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)、リンダ・カーデリーニ(ローラ・バートン)、キム・スヒョン(ヘレン・チョ)、トーマス・クレッチマン(バロン・フォン・ストラッカー)、アンディ・サーキス(ユリシーズ・クロウ)
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アイアンマンやハルク、キャプテン・アメリカはじめマーベル・コミックが誇るスーパー・ヒーローたちによって結成されたドリーム・チーム“アベンジャーズ”の活躍を描く空前のメガヒット・アクション超大作の第2弾。
★予告★
「アベンジャーズ」の第2弾が公開されたらそりゃあ観に行くし観たら楽しいですよ。楽しいですよ!
なんだけど…
ちなみにわたしは関連映画作品も網羅しておらず、コミックも未読、そもそもマーベルヒーローファンというわけでもなく、動機といえば話題作だから、巨体が戦う映画を大画面で満喫したいという程度。あ、アイアンマンは好きです。
地球を守るために!とかでトニー・スタークが勝手に作ったウルトロンが、人類を滅亡させようと動き出してしまい、それをアベンジャーズが阻止するって話なので、ようはアベンジャーズの失態の話ですが、わたしの場合、そんなストーリーについて、あれこれ考えるレベルにも至りませんでした。なんかウルトロンの理屈は「トゥモローランド」のニックスの言い分と似ているような気がするなー、こういう問題意識がハリウッドでは流行りなのかなー、そういえば最近はAIモノも多いなー。ぐらい。
おおまかな話の流れやメインキャラクターはだいたいわかります。しかしさすがに登場人物(人物以外も)やエピソードが多すぎて。。
浅い楽しみ方をしている者としては、人間の活躍は正直どうでもいいのです。この場合の人間とは厳密には人間では無い者も含みますが、人間サイズから1mmも変わらない外見を持つ者のことでして、ようはホークアイ、ブラック・ウィドウ、スカーレット・ウィッチ、クイックシルバー達のことです。ソーとキャプテンも人間サイズではありますが、飛ぶことが出来て(落ちるのではなくて“飛ぶ”です)、極端にマッチョで極端な能力があり、怪力であるならばOK!というワタクシ基準。瞬間移動のような高速移動やテレキネスは、あくまでも超能力という別ジャンルなのです。超能力モノは超能力モノとして大好物なのですが、こういうのじゃなくって!!
こういう価値観の人間にとって今回のホークアイの家族愛や、ブラック・ウィドウとハルクの恋愛や、スカーレット・ウィッチとクイックシルバーの活躍などといったものまでが全て一回の作品の中に盛り込まれてしまうと、その分わたしが喜ぶ要素が減るわけです。サイドストーリーって感じでも無いしー。
おまけにウルトロンやビジョンなども登場するもんだから、一人一人というか一体一体の見せ場とか誰かと誰かの連携とかそこに至る一応の流れなどがあるわけで、さらにペッパーは会社が忙しいとかロキがどうしたとか登場していない人物のことまで話題になるもんだから、もう何が何やら…。さすがに色々と多すぎて、個々の登場人物やエピソードに思い入れが持てなかったなあ。
と、若干不満めいた書き方になってしまいましたが、やっぱり楽しいですよ。スカヨハのアクションも今回はだいぶ自然に見えて良かったです。
そもそもアベンジャーズだけ観て各ヒーローを理解しようとか都合の良いこと思ってたわたしの姿勢が図々しいのです。もうちっと勉強しよっと。
次回以降は最後のあのメンバーがメインになっていくってことなのかなあ。う~ん、大丈夫でしょうか。。まあ関連作品で補強されるとは思いますが。でもロバート・ダウニー・Jrのアイアンマンのように、広く届くキャラクターはそうそう生まれないだろうしなあ。。
そしてこの記事を書くために出演者を眺めていて、ウルトロンってジェームズ・スペイダーだったんだー!と初めて気付く。さすがに地の顔が一回も出てこないとわからん。声としゃべり方は確かにとても良い感じでしたが、意外な人選。なんでだ?
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