その日は、1年に1度のパージ日。パージ開始まであと数時間と迫っていた。病気の父を抱え、娘のカリとともに低所得者が集まる地域に暮すシングルマザーのエヴァはまともな防犯設備もない自宅で不安な夜を迎えようとしていた。別居に向けた話し合いが進むシェーンとリズ夫婦は買い物を終え、家に向かう途中で車が故障してしまう。亡くなった息子の仇をとるため、この日を待ちわびていた男レオは完全武装し、装甲仕様の車で街へと繰り出すが…。
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原題:The Purge: Anarchy
製作国:アメリカ
初公開年月:2015/8/1
監督:ジェームズ・デモナコ
製作:ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッドリー・フラー、セバスチャン・K・ルメルシエ
製作総指揮:ジャネット・ヴォルトゥルノ=ブリル、リュック・エチエンヌ
脚本:ジェームズ・デモナコ
撮影:ジャック・ジューフレ
プロダクションデザイン:ブラッド・リッカー
衣装デザイン:ハラ・バーメット
編集:トッド・E・ミラー、ヴィンス・フィリッポーネ
音楽:ネイサン・ホワイトヘッド
出演:フランク・グリロ(レオ)、カーメン・イジョゴ(エヴァ・サンチェス)、ザック・ギルフォード(シェーン)、キーリー・サンチェズ(リズ)、ゾーイ・ソウル(カリ)、マイケル・K・ウィリアムズ(カルメロ)
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1年に1晩だけ殺人を含むすべての犯罪が合法となる近未来のアメリカを舞台に描き、全米でスマッシュ・ヒットしたバイオレンス・スリラーの第2弾。パージの日を巡って様々な立場の人間が繰り広げる暴力とサバイバルの行方を群像劇スタイルで描き出す。監督は前作に引き続きジェームズ・デモナコ。
★予告★
一作目の「パージ」に続けて公開された二作目「パージ:アナーキー」を観ました。
「パージ」はイマイチだったので無意識にハードルを下げていたのかもしれませんが、これは面白かった!最後はなんだかほろりとしてしまった。
「パージ」では中産階級の家族がパージを乗り切る話で舞台も主人公家族の家の中でしたが、今回の「パージ:アナーキー」は貧しい母娘、別居の話し合い中の夫婦、そして元警官(だったと思う)の孤独な男の5人がダウンタウンの街中でパージを乗り切り、そして元警官の男は当初の目的を遂げようとする話。
一作目ではなんだかんだ言ってもパージ法を受け入れている世界観の話だったので、色々理解しながらも、やはりモヤモヤが残ったのですが、今回はパージを楽しむことが出来ない、いわば普通の感覚の人にとってのパージという不条理が描かれているので、前回よりもパージ法そのものの設定に対する無理矢理な肯定感が軽減されていて良かった。前作は、パージ法なんてイヤでしょっていう視線が弱かったんですね。
またパージの楽しみ方も、単に殺戮を楽しんでストレス解消とか憂さ晴らしにとどまらず、お金持ちの人々の楽しみのために人間狩りの獲物を確保して売る商売があったり、金融機関はパージに合わせて現金を置いておかないシステムになっているなどの一言が加わっていたり、一作目で明らかに疑問に感じたことを物語の中でそれなりに解消していて好ましい。
さらにパージされた人数を増やすことで相対的に残りの364日の犯罪率は下がり、パージ法が必要な法律であるように見せる。そのために政府組織が国家的なシステムを活用してパージを行っているという真相も加わって、全体に深みが出た感じ。
そして今回の主人公フランク・グリロ演じるレオが、強くて頼りがいがあって後ろ暗くて超いい!
フランク・グリロはアクション映画でちょいちょい見かけますが、今回は主役。「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の対テロ作戦部隊S.T.R.I.K.E.のリーダー、悪役のラムロウですね。
風貌からは味方だと思っていいのかどうなのか微妙なところとかもちょうど良く、当然格闘アクションも銃の使い方も決まっていて言うことなし!だってキャップがいない世界でラムロウが味方なんだからそれはそれは心強いというものです。街の無軌道な若者や所詮は普通の人間でしか無い部隊やへっぴり腰のセレブなんか一網打尽。お荷物を4人抱えてる分、苦戦してはいますが、それでも強い強い!
そもそもの設定が1年に1度犯罪が許される日というトンデモ設定なんだから、やっぱりこんぐらいの強引な強さは欲しいものです。
最後も超ベタなお約束エンドではありますが、そこに至るなんやらかんやらですっかり一緒にパージを乗り切った仲間の気分になっていて、なんだかグッときてしまいました。
フランク・グリロ続投で三作目の製作も決まったそうです。一気に楽しみになりましたよ。
二作目の「パージ:アナーキー」の方がだんぜん面白いし、一作目を観てなくても何の問題も無いのですが、一作目の「パージ」を観るとハードルが下がるので一作目から先に観ると満足度高くなってお得な気がします。でも一作目で見限る人も多そうなのが気がかり。