帰り続けるだけは寄り道

映画やミステリー小説の感想などをたまにつらつらと。 過去の記事はマイカテゴリの「INDEX」に作品別、作家別でまとめています。 いただいたコメント、トラックバックは確認後の表示になります。

アメリカの危機

『パージ:アナーキー』ハラハラドキドキスッキリ!

ThePurgeAnarchyその日は、1年に1度のパージ日。パージ開始まであと数時間と迫っていた。病気の父を抱え、娘のカリとともに低所得者が集まる地域に暮すシングルマザーのエヴァはまともな防犯設備もない自宅で不安な夜を迎えようとしていた。別居に向けた話し合いが進むシェーンとリズ夫婦は買い物を終え、家に向かう途中で車が故障してしまう。亡くなった息子の仇をとるため、この日を待ちわびていた男レオは完全武装し、装甲仕様の車で街へと繰り出すが…。

 

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原題:The Purge: Anarchy

製作国:アメリカ

初公開年月:2015/8/1

監督:ジェームズ・デモナコ

製作:ジェイソン・ブラム、マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッドリー・フラー、セバスチャン・K・ルメルシエ

製作総指揮:ジャネット・ヴォルトゥルノ=ブリル、リュック・エチエンヌ

脚本:ジェームズ・デモナコ

撮影:ジャック・ジューフレ

プロダクションデザイン:ブラッド・リッカー

衣装デザイン:ハラ・バーメット

編集:トッド・E・ミラー、ヴィンス・フィリッポーネ

音楽:ネイサン・ホワイトヘッド

出演:フランク・グリロ(レオ)、カーメン・イジョゴ(エヴァ・サンチェス)、ザック・ギルフォード(シェーン)、キーリー・サンチェズ(リズ)、ゾーイ・ソウル(カリ)、マイケル・K・ウィリアムズ(カルメロ)

 

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1年に1晩だけ殺人を含むすべての犯罪が合法となる近未来のアメリカを舞台に描き、全米でスマッシュ・ヒットしたバイオレンス・スリラーの第2弾。パージの日を巡って様々な立場の人間が繰り広げる暴力とサバイバルの行方を群像劇スタイルで描き出す。監督は前作に引き続きジェームズ・デモナコ。

 

★予告★

 

 

一作目の「パージ」に続けて公開された二作目「パージ:アナーキー」を観ました。

パージ」はイマイチだったので無意識にハードルを下げていたのかもしれませんが、これは面白かった!最後はなんだかほろりとしてしまった。

 

「パージ」では中産階級の家族がパージを乗り切る話で舞台も主人公家族の家の中でしたが、今回の「パージ:アナーキー」は貧しい母娘、別居の話し合い中の夫婦、そして元警官(だったと思う)の孤独な男の5人がダウンタウンの街中でパージを乗り切り、そして元警官の男は当初の目的を遂げようとする話。

 

一作目ではなんだかんだ言ってもパージ法を受け入れている世界観の話だったので、色々理解しながらも、やはりモヤモヤが残ったのですが、今回はパージを楽しむことが出来ない、いわば普通の感覚の人にとってのパージという不条理が描かれているので、前回よりもパージ法そのものの設定に対する無理矢理な肯定感が軽減されていて良かった。前作は、パージ法なんてイヤでしょっていう視線が弱かったんですね。

またパージの楽しみ方も、単に殺戮を楽しんでストレス解消とか憂さ晴らしにとどまらず、お金持ちの人々の楽しみのために人間狩りの獲物を確保して売る商売があったり、金融機関はパージに合わせて現金を置いておかないシステムになっているなどの一言が加わっていたり、一作目で明らかに疑問に感じたことを物語の中でそれなりに解消していて好ましい。

さらにパージされた人数を増やすことで相対的に残りの364日の犯罪率は下がり、パージ法が必要な法律であるように見せる。そのために政府組織が国家的なシステムを活用してパージを行っているという真相も加わって、全体に深みが出た感じ。

 

ThePurgeAnarchy-2そして今回の主人公フランク・グリロ演じるレオが、強くて頼りがいがあって後ろ暗くて超いい!

フランク・グリロはアクション映画でちょいちょい見かけますが、今回は主役。「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の対テロ作戦部隊S.T.R.I.K.E.のリーダー、悪役のラムロウですね。

風貌からは味方だと思っていいのかどうなのか微妙なところとかもちょうど良く、当然格闘アクションも銃の使い方も決まっていて言うことなし!だってキャップがいない世界でラムロウが味方なんだからそれはそれは心強いというものです。街の無軌道な若者や所詮は普通の人間でしか無い部隊やへっぴり腰のセレブなんか一網打尽。お荷物を4人抱えてる分、苦戦してはいますが、それでも強い強い!

そもそもの設定が1年に1度犯罪が許される日というトンデモ設定なんだから、やっぱりこんぐらいの強引な強さは欲しいものです。

最後も超ベタなお約束エンドではありますが、そこに至るなんやらかんやらですっかり一緒にパージを乗り切った仲間の気分になっていて、なんだかグッときてしまいました。

フランク・グリロ続投で三作目の製作も決まったそうです。一気に楽しみになりましたよ。

 

二作目の「パージ:アナーキー」の方がだんぜん面白いし、一作目を観てなくても何の問題も無いのですが、一作目の「パージ」を観るとハードルが下がるので一作目から先に観ると満足度高くなってお得な気がします。でも一作目で見限る人も多そうなのが気がかり。

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』多すぎる…

avengersAoUアイアンマンこと“戦う実業家”トニー・スタークは、将来出現するかも知れない新たな脅威から地球を守るために、人工知能“ウルトロン”による平和維持システムを開発する。しかしウルトロンが平和を維持するために導き出した答えは、その障害となっている人類を排除するというものだった。仮の肉体を得て暴走を始めたウルトロンを阻止すべく再び集結したアベンジャーズ。そんな彼らの前に、人の心を自在に操るワンダと超高速で動く肉体を持つピエトロの超人姉弟が立ちはだかる。

 

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原題:Avengers: Age of Ultron

製作国:アメリカ

初公開年月:2015/7/4

監督:ジョス・ウェドン

製作:ケヴィン・ファイギ

製作総指揮:ルイス・デスポジート、アラン・ファイン、ヴィクトリア・アロンソ、ジェレミー・レイチャム、パトリシア・ウィッチャー、ジョン・ファヴロー、スタン・リー

脚本:ジョス・ウェドン

撮影:ベン・デイヴィス

視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント

プロダクションデザイン:チャールズ・ウッド

衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン

編集:ジェフリー・フォード、リサ・ラセック

音楽:ブライアン・タイラー

出演:ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク=アイアンマン)、クリス・ヘムズワース(ソー)、マーク・ラファロ(ブルース・バナー=ハルク)、クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカ)、スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウ)、ジェレミー・レナー(クリント・バートン=ホークアイ)、ドン・チードル(ジェームズ・“ローディ”・ローズ=ウォーマシン)、アーロン・テイラー=ジョンソン(ピエトロ・マキシモフ=クイックシルバー)、エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ=スカーレット・ウィッチ)、ポール・ベタニー(J.A.R.V.I.S.(ジャービス)/ヴィジョン)、コビー・スマルダーズ(マリア・ヒル)、アンソニー・マッキー(サム・ウィルソン=ファルコン)、ヘイリー・アトウェル(ペギー・カーター)、イドリス・エルバ(ヘイムダル)、ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)、ジェームズ・スペイダー(ウルトロン)、サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)、リンダ・カーデリーニ(ローラ・バートン)、キム・スヒョン(ヘレン・チョ)、トーマス・クレッチマン(バロン・フォン・ストラッカー)、アンディ・サーキス(ユリシーズ・クロウ)

 

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アイアンマンやハルク、キャプテン・アメリカはじめマーベル・コミックが誇るスーパー・ヒーローたちによって結成されたドリーム・チーム“アベンジャーズ”の活躍を描く空前のメガヒット・アクション超大作の第2弾。

 

★予告★

 

 

アベンジャーズ」の第2弾が公開されたらそりゃあ観に行くし観たら楽しいですよ。楽しいですよ!

なんだけど…

ちなみにわたしは関連映画作品も網羅しておらず、コミックも未読、そもそもマーベルヒーローファンというわけでもなく、動機といえば話題作だから、巨体が戦う映画を大画面で満喫したいという程度。あ、アイアンマンは好きです。

 

地球を守るために!とかでトニー・スタークが勝手に作ったウルトロンが、人類を滅亡させようと動き出してしまい、それをアベンジャーズが阻止するって話なので、ようはアベンジャーズの失態の話ですが、わたしの場合、そんなストーリーについて、あれこれ考えるレベルにも至りませんでした。なんかウルトロンの理屈は「トゥモローランド」のニックスの言い分と似ているような気がするなー、こういう問題意識がハリウッドでは流行りなのかなー、そういえば最近はAIモノも多いなー。ぐらい。

おおまかな話の流れやメインキャラクターはだいたいわかります。しかしさすがに登場人物(人物以外も)やエピソードが多すぎて。。

 

浅い楽しみ方をしている者としては、人間の活躍は正直どうでもいいのです。この場合の人間とは厳密には人間では無い者も含みますが、人間サイズから1mmも変わらない外見を持つ者のことでして、ようはホークアイ、ブラック・ウィドウ、スカーレット・ウィッチ、クイックシルバー達のことです。ソーとキャプテンも人間サイズではありますが、飛ぶことが出来て(落ちるのではなくて“飛ぶ”です)、極端にマッチョで極端な能力があり、怪力であるならばOK!というワタクシ基準。瞬間移動のような高速移動やテレキネスは、あくまでも超能力という別ジャンルなのです。超能力モノは超能力モノとして大好物なのですが、こういうのじゃなくって!!

こういう価値観の人間にとって今回のホークアイの家族愛や、ブラック・ウィドウとハルクの恋愛や、スカーレット・ウィッチとクイックシルバーの活躍などといったものまでが全て一回の作品の中に盛り込まれてしまうと、その分わたしが喜ぶ要素が減るわけです。サイドストーリーって感じでも無いしー。

おまけにウルトロンやビジョンなども登場するもんだから、一人一人というか一体一体の見せ場とか誰かと誰かの連携とかそこに至る一応の流れなどがあるわけで、さらにペッパーは会社が忙しいとかロキがどうしたとか登場していない人物のことまで話題になるもんだから、もう何が何やら…。さすがに色々と多すぎて、個々の登場人物やエピソードに思い入れが持てなかったなあ。

 

と、若干不満めいた書き方になってしまいましたが、やっぱり楽しいですよ。スカヨハのアクションも今回はだいぶ自然に見えて良かったです。

そもそもアベンジャーズだけ観て各ヒーローを理解しようとか都合の良いこと思ってたわたしの姿勢が図々しいのです。もうちっと勉強しよっと。

次回以降は最後のあのメンバーがメインになっていくってことなのかなあ。う~ん、大丈夫でしょうか。。まあ関連作品で補強されるとは思いますが。でもロバート・ダウニー・Jrのアイアンマンのように、広く届くキャラクターはそうそう生まれないだろうしなあ。。

 

 

そしてこの記事を書くために出演者を眺めていて、ウルトロンってジェームズ・スペイダーだったんだー!と初めて気付く。さすがに地の顔が一回も出てこないとわからん。声としゃべり方は確かにとても良い感じでしたが、意外な人選。なんでだ?

『マン・オブ・スティール』 地球、とんだ迷惑を被る

manofsteelクリプトン星で生まれたその赤ん坊は、滅亡を悟った父に最後の希望を託され、地球へと送られた。地球にたどり着いた彼は、ジョナサンとマーサの夫婦に拾われ、クラーク・ケントとして育てられる。次第に超人的な能力に目覚めていく少年時代、養父からはその能力を使うことを固く禁じられていた。周囲との違いに孤独と葛藤を抱えながら青年へと成長したクラークは、やがて自分探しの旅に出て、自らの使命を確信する。そんなある日、クリプトン星の生き残り、ゾッド将軍がクラークの存在に気づき、彼を追って地球へと襲来する。

 

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原題:Man of Steel

製作国:アメリカ

初公開年月:2013年8月

監督:ザック・スナイダー

製作:チャールズ・ローヴェン、クリストファー・ノーラ、エマ・トーマス、デボラ・スナイダー

製作総指揮:トーマス・タル、ロイド・フィリップス、ジョン・ピーターズ

キャラクター創造:ジェリー・シーゲル、ジョー・シャスター

原案:デヴィッド・S・ゴイヤー、クリストファー・ノーラン

脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー

撮影:アミール・モクリ

視覚効果監修:ジョン・“DJ”・デジャルダン

プロダクションデザイン:アレックス・マクダウェル

衣装デザイン:ジェームズ・アシェソン、マイケル・ウィルキンソン

編集:デヴィッド・ブレナー

音楽:ハンス・ジマー

出演:ヘンリー・カヴィル(クラーク・ケント/カル=エル)、エイミー・アダムス(ロイス・レイン)、マイケル・シャノン(ゾッド将軍)、ケヴィン・コスナー(ジョナサン・ケント)、ダイアン・レイン(マーサ・ケント)、ローレンス・フィッシュバーン(ペリー・ホワイト)、アンチュ・トラウェ(ファオラ=ウル)、アイェレット・ゾラー(ララ・ロー=ヴァン)、クリストファー・メローニ(ネイサン・ハーディ大佐)、ラッセル・クロウ(ジョー=エル)、ハリー・J・レニックス(スワンウィック将軍)、リチャード・シフ(エミール・ハミルトン博士)、ディラン・スプレイベリー(クラーク・ケント(少年期))、クーパー・ティンバーライン(クラーク・ケント(幼少期))

 

最強のスーパー・ヒーロー“スーパーマン”を、「300 <スリーハンドレッド>」「ウォッチメン」「エンジェル ウォーズ」のザック・スナイダー監督で装いも新たに再起動させたアクション超大作。スーパーマンの知られざる誕生の物語を壮大なスケールで描き出す。製作・原案は「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン、原案・脚本は「ダークナイト」「ゴーストライダー」「ジャンパー」「ブレイド」「フレイディVSジェイソン」などのデヴィッド・S・ゴイヤー。

スーパーマン役は「インモータルズ-神々の戦い-」のヘンリー・カヴィル、共演にエイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケヴィン・コスナー、ラッセル・クロウ、ダイアン・レインなど。

 

 

★予告★

 

 

嫌な予感しかしなくてもIMAX3Dで観ることに。

宇宙人同士が勝手に地球で大げんかして、高層ビルを何個も破壊しまくって、直接描写こそ無いものの大勢の地球人も犠牲になってんのに、なんか地球のヒーローになってらあって話。

 

わけがわからないよ!

 

 

新しいスーパーマンを提示しているっぽいぞ、なんか深い意味みたいなものもあるっぽいぞ、とは思いましたが、いかんせんおもしろくない。

リアルにシリアスなスーパーマンかと思いきや後半のサービス満点のバトルシーンは長く、長すぎてインフレ起こして盛り下がる。

役者陣の重厚な存在感と演技と、ノーラン版バットマンを想像させる全体を覆うシリアスなトーンと、ザック・スナイダーの過剰なバトル演出の食い合せが悪いのかなあ。。

ヒーローのカッコ良さとビジュアルの豪華さと楽しさがあれば、ストーリーの矛盾とか粗とかはあんまり気にしないんだけど、どれもダメだったなぁ。。。

 

 

でもまあ新生スーパーマンは三部作なので、一作目として担わされた役割もあるのだろうから、次作以降に期待してみようと思う。というか納得させる。

 

次作はベン・アフレック演じるバットマンと共演予定。

★Man Of Steel 2★

 

 

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『ホワイトハウス・ダウン』 Street Fighting Man

whitehousedown-1議会警察官のジョン・ケイルは、娘エミリーが憧れるジェームズ・ソイヤー大統領のシークレットサービスになるべく面接に臨むも不採用に。しかしエミリーの悲しむ顔を見たくないケイルは、一緒にホワイトハウスの見学ツアーに参加する。ところがその時、突然の大爆発とともに謎の武装集団が乱入し、ホワイトハウスを占拠するのだった。この大混乱の中でエミリーと離ればなれとなってしまったケイル。娘を助け出したい一心の彼は、やがてソイヤー大統領の窮地を救うと、2人で協力しながらテロリストたちに立ち向かっていくのだが…。

 

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原題:White House Down

製作国:アメリカ

初公開年月:2013年8月

監督:ローランド・エメリッヒ

製作:ブラッドリー・J・フィッシャー、ハラルド・クローサー、ジェームズ・ヴァンダービルト、ラリー・フランコ、レータ・カログリディス

製作総指揮:ウテ・エメリッヒ、チャニング・テイタム、リード・カロリン

脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト

撮影:アンナ・J・フォースター

プロダクションデザイン:カーク・M・ペトルッチェリ

衣装デザイン:リジー・クリストル

編集:アダム・ウルフ

音楽:トーマス・ワンダー、ハラルド・クローサー

出演:チャニング・テイタム(ジョン・ケイル)、ジェイミー・フォックス(ソイヤー大統領)、マギー・ギレンホール(キャロル・フィナティ特別警護官)、ジェイソン・クラーク(ステンツ)、リチャード・ジェンキンス(ラフェルソン下院議長)、ジョーイ・キング(エミリー・ケイル)、ジェームズ・ウッズ(ウォーカー)

 

「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」のローランド・エメリッヒ監督のアクション映画。「G.I.ジョー」「親愛なるきみへ」「マジック・マイク」のチャニング・テイタムが主演を努め、製作総指揮も行っている。

 

★予告★

 

 

超ひさしぶりに単純に楽しかったですよ!おもしろい!

ストーリーはわかりやすく、ベタな伏線はベタに回収。ホワイトハウスが襲撃されてうんぬんなんだけど、外側からの救出作戦を描くのでは無く、中に人質となって閉じ込められ者が武装集団をやっつけていく話。ダメな父親と勇敢で賢い娘と若い黒人大統領が活躍する、ちょいちょい笑えて爆発とかアクションも満載の映画。

 

 

ローランド・エメリッヒというと、一時期の大味のディザスター大作映画の代表と言っていいと思いますが、主人公と主人公家族のためには他の登場人物を、申し訳程度のお涙的演出を入れつつも本当に申し訳程度でなんの愛着も無いのがバレバレでもお構いなしに死なせていくところなんかも特徴的。

似たような安い扱いの監督にマイケル・ベイがいましたが、マイケル・ベイは「トランスフォーマー」に行ってしまったので、しみったれた人間ドラマからは開放されたように思います。

 

わたしはローランド・エメリッヒ作品はディザスター映画としてはそれなりに楽しめますが、やっぱりあんまり好きではなく。家族愛を最優先させるアメリカ映画にはエゴを感じてしまうもので、エメリッヒ作品は特にそこがむき出しになってるというか。この世で最も美しく尊いものは家族愛に決まってますでしょうが!と世界の中心で叫ばれているようで。

が、それも実際のところはテーマが「家族愛」ならお金が集まるからそうしてただけで、実際はどうでもいいんじゃないですかね。そんなに熱いタイプの監督でも無いような気がします。

だもんで、その時に人気のあるテーマが変われば作品のメッセージも変わるはずなので、何もエメリッヒ作品を毛嫌いすることも無いかなあって感じにシフトしました。

 

 

今回も父親と娘という家族ではありますが、娘は離婚した元妻に引き取られています。

たとえば「2012」では主人公は離婚して元妻は再婚して子供も含めて仲良く暮らしている状態でしたが、子供よりもどちらかというと元妻への執着が強かったのに対して、今回は元妻はホワイトハウスの外側に居て、話の中心(つまり主人公側の物語)には入れてもらえず、娘と娘が大好きな大統領を守る俺、の物語になっています。妻を含めた家族愛なんか崩壊していても、とにかく俺が俺の娘に懐かれ尊敬されることこそが大事!な話になっています。

 

「ホワイトハウス・ダウン」はアクション的見せ場も多いのですが、物語的にも問題を一つクリアしたと思っても犯人は次の手を持っていてまたクリアしてまた次の問題が、、、とテンポ良く見せてくれます。

 

そんで登場人物と配役もいいんです。

主人公のチャニング・テイタムとソイヤー大統領役のジェイミー・フォックスの軽さが非常に良い。二人とも普通っぽいんですよ。

チャニング・テイタム演じるジョンは、せっかくポテンシャルは高いのになーんか今まで上手くやれてない男で、ジェイミー・フォックスは、大統領役にしては若いし細いし威厳が足りない気がしないでも無い位なんだけど、二人で協力して戦ったり逃げたりする様はバランスも良いし、いろんな場面での柔軟な姿勢にも、それぞれの見た目の若さや普通っぽさに、超人的な主人公だったとしたら出せない説得力があって素直に共感できました。

とは言ってもアクション映画だからそれなりに超人なんですけど、まあ主人公の強さには一応の背景があるし、大統領のタフさも十分許容範囲。悪役の強さ(もしくは弱さ、間抜けさ)も馬鹿げていないと思います。

 

whitehousedown-2しかーし何より、この映画の中でも、そして鑑賞しているこちら側でも最も賞賛される人物はジョンの娘のエミリー。

エミリーは大統領オタクの11歳の少女。たまたまトイレに行っていたために、一人捕獲を逃れながら犯人一味を撮影して自分のYouTubeのページにアップして犯人の身元割れに貢献。でもあっさり捕獲されてしまうところも実に自然。クライマックスでは米軍のホワイトハウス爆撃を、旗を振り振り果敢に阻止する姿に涙涙。6週間練習した甲斐があったね!カッコイイよエミリー!

 

さらにその他の脇役も、「ビデオ・ドローム」でお腹からビデオテープを抜き出すことでお馴染みのジェムズ・ウッド。

「キリング・フィールド」「欲望のバージニア」「ゼロ・ダーク・サーティ」「華麗なるギャッツビー」と、このところ引っ張りだこのジェイソン・クラーク。

「セクレタリー」で自傷癖のあるM秘書役が愛らしく、「ダークナイト」に出ていてもイマイチ日本では知名度が危うい、ブロークバックでマウンテンなジェイク・ギレンホールの姉のマギー・ギレンホール。(姉弟ともども大好きです)

最近ではホラー映画「キャビン」で日本の女子小学生相手にキレてFuck!連発して爆笑を誘っていたリチャード・ジェンキンス。

等々、わたし的にはマジか!という豪華さ。

 

 

この位の規模でこの位のクオリティのアクション映画がもっと出来るといいのに。やっぱリュック・ベッソンじゃ物足り無い。エメリッヒにがんばって欲しい気持ちになりました。

 

まあ相変わらず、話の展開上必要じゃなくなった登場人物は悪役だろうが一般人だろうがサクサク殺して物語から消し去ってしまうんですけどね。

 

 

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ホワイトハウス・ダウン [DVD]
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『アベンジャーズ』 MARVELオールスター夏の感謝祭

avengers国際平和維持組織シールドで研究中だった四次元キューブが地球の支配を目論む邪悪な神ロキに奪われ、地球は史上最大の危機に直面する。長官のニック・フューリーは周囲の反対を押し切り、スーパー・パワーを持つヒーローを集めて最強チーム“アベンジャーズ”を結成することを決断、シールドのエージェントとなった魔性のスパイ、ナターシャ・ロマノフらとともにヒーローたちの招集に乗り出す。こうしてトニー・スターク(アイアンマン)、スティーブ・ロジャーズ(キャプテン・アメリカ)、ブルース・バナー(ハルク)、そしてロキの兄ソーがシールド本部に勢ぞろいし、フューリーから“アベンジャーズ計画”への協力を求められるのだったが…。

 

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製作国: アメリカ

初公開年月: 2012年8月

監督: ジョス・ウェドン

脚本: ジョス・ウェドン

撮影: シーマス・マッガーヴェイ

視覚効果監修: ジャネク・サーズ

プロダクションデザイン: ジェームズ・チンランド

衣装デザイン: アレクサンドラ・バーン

編集: ジェフリー・フォード、リサ・ラセック

出演: ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク(アイアンマン))、クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャーズ(キャプテン・アメリカ))、マーク・ラファロ(ブルース・バナー(ハルク))、クリス・ヘムズワース(ソー)、スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ))、ジェレミー・レナー(クリント・バートン(ホークアイ))、トム・ヒドルストン(ロキ)、クラーク・グレッグ(エージェント・フィル・コールソン)、ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)、コビー・スマルダーズ(エージェント・マリア・ヒル)、グウィネス・パルトロー(ペッパー・ポッツ)、サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)

 

 ★予告★

 

 

マーベル・コミックが誇るスーパー・ヒーローたちによって結成されたドリーム・チーム“アベンジャーズ”を実写映画化する夢の企画がついに実現し、全米で空前の大ヒットを記録したSFアクション超大作。

 

今夏はホントにSF大作目白押しです。

毎年夏は大物が公開されますが、今年は「アベンジャーズ」「ダークナイ トライジング」「アメージング スパイダーマン」「プロメテウス」、おまけに「トータル・リコール」リメイクとか。なんですかね、これ。

 

観ようかどうしようか悩んでいたのですが、「ダークナイト ライジング」の初IMAX体験で、IMAX3D観たい熱が高まり、「プロメテウス」まで待てなくなり、だったら「アベンジャーズ」も観ちゃおうかなと考えだしてしまい、そうしたら観ないといけないような気分になってしまいまして。

しかしここで大きな問題が出てきました。とても大事なことです。

わたしはマーベル作品は「スパイダーマン」、「X-MEN」、「ファンタスティック・フォー」しか観てないんですね。肝心のを尽く観てないという。コミックも大昔に読んだっきりで、まるっきり忘れてます。

事前に観ておくべき作品は「アイアンマン」「アイアンマン2」「キャプテン・アメリカ」「インクレディブル ハルク」「マイティ・ソー」。

やっぱり観ないとじゃないですか。だもんでとりあえずTSUTAYAに何度か足を運びましたが、全部レンタルちう。買えばいいという話は無しでお願いします。

SF大作が目白押しなのはいいんですけど、IMAXも取り合いになっていて、それぞれの公開スケジュールを考えると、レンタル返却待ちしてる間に観られる時間帯が無くなっちゃうんですよね。

それでも観るか?観ないか?

やるかやらないかと問われたらやるを選ばないとでしょう。

という程度で以下感想。

 

 

・超大味で単純に面白かった。それぞれのキャラクターの性格や特性もなんとなく理解できた。

・でもスカヨハと弓の人はよくわからなかった。あの二人はそのままで戦闘能力が高い人達ってことでいいんですよね?

・ハルク強すぎ。ハルクは結局自在に変化できるのかちら。大きさが一定じゃないのは、そーゆーものなのなのかちら。

・アイアンマン興味深い。

・キャプテン・アメリカはキャプテン・アメリカだった。武器が盾だけでかわいそう。

・ソーもっと見たい。

・クライマックスのアイアンマンの行動にグッと来たのに、この後に予告のあのシーンが来るんだろうなとすぐに思い出してしまって残念。

・空から降ってくる敵の飛行隊と、飛んでるアベンジャーズがごちゃごちゃでわかりにくかった。

・戦闘場面もなんか雑。これぞハリウッド大作って感じで。

・スカヨハのアクションはもう少しなんとかならないものか。全然強そうじゃないしほとんど吹替なのが露骨に・・・。いつものようにけだるいスカヨハだった。

・仕方ないんだけど全体的に説明が多すぎで、特に中盤は説明セリフが多くて動きも無く眠い。

・3D効果はイマイチだった。でっかくて長いアレがもっと飛び出すかと思ってたんだけどそんなことも無かった。

・てかなんだか疲れた。IMAX疲れるなぁ。スクリーンが大きすぎるからかなぁ。目の動きが多くなるわい。

・エンドロールは最後まで観るべし

 

 

でも楽しかったので、アベンジャーズ達の過去作を観てからまた観てみたいものだと思いました。

一作目がこの位だと二作目のハードルが上がり過ぎなくて良いような気がしたり。当然シリーズ化前提のようなので楽しみです。

 

 

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