何ものかに操られた人形が、若い看護師たちに危害を加えた心霊現象「アナベル事件」(1968年)を解決したことをきっかけに、エド(パトリック・ウィルソン)とロレイン(ヴェラ・ファーミガ)のウォーレン夫妻は一躍有名になる。エドはカトリック教会が唯一公認した悪魔研究家で、ロレインには透視能力があったが、彼らは撮影や録音なども駆使し、科学的見地を取り入れた調査を行っていた。どんなケースもすべて研究結果として公表していた彼らが、誰にも語らなかった事件がひとつだけある──。
時は1971年、ロードアイランド州ハリスヴィル。野中にポツンと建つ古びた一軒家に、ロジャー(ロン・リヴィングストン)とキャロリン(リリ・テイラー)のペロン夫妻と5人の娘たちが引っ越して来る。一家は新しい生活に胸を躍らせていたが、なぜか愛犬のセイディーは決して家に入ろうとしない。
翌朝から、様々な異変が一家を襲う。室内は外よりも寒く、死臭のような臭いが漂っている。なぜか家中の時計が全て3時7分で止まり、キャロリンの身体に原因不明の痣ができる。しかし、何よりも家族にショックを与えたのは、セイディーの変わり果てた姿だった。
夜になると、寝ている間に脚を引っ張られた、何かがドアの陰にいると口々に訴える娘たち。娘の一人は、その何かに「この一家を皆殺しにする」と囁かれたと心の底から脅えている。別の夜、誰もいないはずの地下室から物音が聞こえ、様子を見に行ったキャロリンが、暗闇の中に閉じ込められてしまう。間違いない。この館のように広い家には、確実に“何か”がいる。
マサチューセッツのウエスタン大学で、憑依現象について報告するウォーレン夫妻。話を聞きに来たキャロリンは、講義を終えた夫妻に「私の家は呪われている。お願いだから見に来て」と懇願する。
ペロン家を訪ねたウォーレン夫妻は、まずはキャロリンの証言を録音するが、帰宅して再生すると、彼女の声だけが消えていた。夫妻が家の由来を調べると、不気味な事実が現れる。1863年、家を建てた男の妻が、生後7日目の自分の子どもを殺害していた。それも信じ難い、ある目的のために──。
ウォーレン夫妻は、家中にカメラと録音機を取り付け、泊まり込みの調査を始める。それを嘲笑うかのように、反撃を開始する館。やがて遠く離れたウォーレン夫妻の一人娘にまで危害が及ぼうとするのだが、それはまだ家族の絆を無残に引き裂く、凄絶な闘いの始まりに過ぎなかった──。
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原題:The Conjuring
製作国:アメリカ
初公開年月:2013年10月
監督:ジェームズ・ワン
製作:トニー・デローザ=グランド、ピーター・サフラン、ロブ・コーワン
製作総指揮:ウォルター・ハマダ、デイヴ・ノイスタッター
脚本:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ
撮影:ジョン・R・レオネッティ
プロダクションデザイン:ジュリー・バーゴフ
衣装デザイン:クリスティン・M・バーク
編集:カーク・モッリ
音楽:ジョセフ・ビシャラ
出演:ヴェラ・ファーミガ(ロレイン・ウォーレン)、パトリック・ウィルソン(エド・ウォーレン)、ロン・リヴィングストン(ロジャー・ペロン)、リリ・テイラー(キャロリン・ペロン)、シャンリー・キャズウェル(アンドレア)、ヘイリー・マクファーランド(ナンシー)、ジョーイ・キング(クリスティーン)、マッケンジー・フォイ(シンディ)、カイラ・ディーヴァー(エイプリル)、シャノン・クック(ドリュー)、ジョン・ブラザートン(ブラッド)、スターリング・ジェリンズ(ジュディ)
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「ソウ」「狼の死刑宣告」「インシディアス」のジェームズ・ワン監督が、実在する著名な超常現象研究家エド&ロレーヌ・ウォーレン夫妻が1971年に体験した衝撃の事件を基に描く戦慄のオカルト・ホラー。
★予告★
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一応実話らしいです。
一応とからしいとかって若干失礼な言い回しですが、だって実話かどうかなんて本当のところわからないもの。
てか実話かどうかなんてどうでもいいということは誰もが実はわかっているものです。その作品の話をするときに、一応前提の注釈に入れる程度でそんなに意味は無いというか。
<ウォーレンさん家の資料館>
怖いですよ、これは。
ホラー映画って映画館で観てみると結構普通に皆さんキャーキャーしますけど、これは無かったです。
わたしは2回観て、2回ともほぼ満席でしたが、悲鳴が上がることは無く、ココ!って場面はいくつかあるんですけど、そのどの場面でも悲鳴を上げて息抜きをさせてくれず、ジリジリとずっと怖いんですよ。
観客に悲鳴を上げさせる予定調和を、わざと外してきてるような絶妙な間合い。
わたしは残念ながら実際にキャーキャー声に出したりビクッとしたりといった素直な身体反応が出来ないのですが、タイミングは共有していまして、キャーキャーのタイミングか!?と思ってもキャーキャーまで行かないんです。怖かったり驚いたりしてるのに。
これはどうしたものかと考えるに、おそらくキャーキャーのタイミングというのは、その瞬間は盛り上がるけれども映画の流れは一旦途切れるんですね。それで心置きなくキャーキャー出来るようなのです。それが、「死霊館」は映画の流れが止まらないのでキャーキャーならないように思えます。それで、キャーキャーして緊張を開放することが出来ずにずっっっとジリジリと怖くて、最後の大団円に至るという。
なんとも大胆なホラー映画だこと。こういうことすると消化不良とか怖くないということになりかねないのに。
ジェームズ・ワンって、観客が余計な気を遣うこと無く観れる映画をきちんと撮る監督だと思っていて、わたしはとても安心して観ることが出来ます。
ジェームズ・ワン作品が安心、というのもおかしな話のような気がしますが。
たとえば、ペロン一家が引っ越してきた日、家財道具を運び入れるシーンで、娘の一人が家に飛び込み、玄関から左手の部屋に入り、ダイニングを通ってテラスに抜ける。テラスの向こうはすぐに湖。湖の畔には大木がそびえ立ち、その根元に末娘が座り込んでいる。これをワンカットの長回しで流れるように映し出すことで、引越し先の家の間取りや周辺環境がとてもわかりやすくなっている。そして後々意味が出てくる、いわくつきの湖と木は印象に残るし、さらに娘が引っ越しを喜んでいること、家が結構広いこと、末娘がこの家でオルゴールを見つけたらしいことなどもわかります。こういう必要な情報を、観客に負担にならないようにサラッと認識させてくれるから信頼できるのです。
今回、必ず脚本や共同製作、出演をしているリー・ワネルの名前が見当たらないものだから、なんだか心配に。でもIMDB見たら役者として活躍しているようでした。
「死霊館」には、これまでのジェームズ・ワン作品に必ず存在した、ある種のユーモアがまったく無かったのは、リー・ワネル抜きだからなのかちら。
「インシディアス2」はまた二人が揃うみたいなので楽しみに待とう。
ところでペロン家の5人娘とウォーレン家の一人娘、全員とってもかわいいです。
で、ペロン家の三女クリスティーン役の子になんか見覚えがあると思ったら「ホワイトハウス・ダウン」のエミリーだった。
んでググったら、ジョーイ・キングちゃんって子は「オズ はじまりの戦い」で陶器の少女の声と車椅子の少女の役とか、「ダークナイト ライジング」で“奈落のあの子”の役とか、「世界侵略: ロサンゼルス決戦」の取り残されて救出された女の子とかやってた子だった。あらまあ。。
今回もがんばってます!
と、映画の内容にはほとんど触れずに、以上です。
だって観た方がいいに決まってるし!