帰り続けるだけは寄り道

映画やミステリー小説の感想などをたまにつらつらと。 過去の記事はマイカテゴリの「INDEX」に作品別、作家別でまとめています。 いただいたコメント、トラックバックは確認後の表示になります。

東野圭吾

東野圭吾『レイクサイド』

同じ塾に通う中学受験を控えた子供を持つ4家族が集まり、姫神湖の別荘で受験勉強合宿が行われている。

そのうちの一家族、並木家の夫、俊介の部下である英里子が忘れ物を届けにやってきたことから殺人事件は起こってしまった。

 

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レイクサイド 新装版
レイクサイド 新装版

 

 

雪やら嵐やらの山荘ものミステリーの一種ですよね、これって。

 

しかし全く予想どおりの展開で、驚きは一つも無いです。

ただ作者の読ませる力とまとめの上手さの職人技には感心します。しかしながらこの作者はいつもそうなので、本作に限ったことではありませんね。

 

お受験モノでミステリーを作ると、殺人の動機付けは子供のお受験をなんとしても守る、ってことにしかならない。それが早々に判明している本作のような場合は、その裏とか先を想像すると真犯人は別にいるんだろうな、そうしたら真犯人はあれしか無いってぱ。

 

「東野先生、子供のお受験をテーマに何とか1本お願いします!」で書くことになった作品なんですかね。消化試合って感じでした。

 

東野圭吾『容疑者Xの献身』

高校の数学教師をしている石神は変わり映えの無い毎日を送っていた。

アパートの隣人は中学生になる娘と母親の二人暮らし。ある日、靖子の元に別れた夫の富樫が現れ、勢いで母娘二人で殺害してしまった。

ただならぬ様子に気付いた石神はなんとか彼女ら母娘を助けようと工作する。

そして数日後、顔や指紋を消された他殺体が川原で発見される。死体が富樫であることは判明し、すぐに警察は靖子に捜査の焦点を合わせるが、その日、靖子と美里はアリバイがあるという。

 

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容疑者Xの献身
容疑者Xの献身

 

 

短編で活躍していたガリレオ探偵と呼ばれる天才物理学者・湯川シリーズ、初の長編です。

 

読者にとってはすでに犯人も動機も判明しているので、石神の施した数々の工作に湯川がどのように迫っていくかが楽しみである。

しかし本作ではそこに石神と湯川の友情が絡みつく。

実は石神は湯川と大学時代の同窓で、当時の教授から100年に1人の逸材と言われるほどの数学の天才であった。

お互いの才能を認め合う石神と湯川は久々の再会し、喜び、懐かしみ、お互いの頭脳を刺激し合う。そんな貴重な存在である石神が富樫事件に深く関わっていることに気付いてしまった湯川の悲しみは、これまでのシリーズには無かった深みを持たせている。

そして最後に解き明かされる完全なる献身の実態に、湯川ならずとも心を締め付けられるはず。靖子の決断に対する石神の気持ちは・・・心が痛いっす。

 

悲しい純愛物語です。

 

東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』

お芝居のオーディションに合格した男女7名が、信州のとあるペンションに集められる。

到着してみると呼び出した当人の劇団主催者は来ないらしい。

そのペンションであるトラブルが起きたというシチュエーションで、それぞれが役割を設定してお芝居をし、その演技力を発揮するように、との指示が書かれた手紙だけが渡される。不可解に思いながらも事が起こるのを待つ7人。

しかし翌朝殺人のシチュエーションが書かれた紙を残して1人がいなくなった。そして次の夜また1人消える。

これはいったい劇団主催者の演出なのか、それとも本当に殺人が起こっているのか?犯人は誰なのか?

 

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ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)

 

 

あのオチは思い付きませんでしたよ、えぇ、えぇ。

 

 

(以下、ネタバレ気味)

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