帰り続けるだけは寄り道

映画やミステリー小説の感想などをたまにつらつらと。 過去の記事はマイカテゴリの「INDEX」に作品別、作家別でまとめています。 いただいたコメント、トラックバックは確認後の表示になります。

超能力

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』多すぎる…

avengersAoUアイアンマンこと“戦う実業家”トニー・スタークは、将来出現するかも知れない新たな脅威から地球を守るために、人工知能“ウルトロン”による平和維持システムを開発する。しかしウルトロンが平和を維持するために導き出した答えは、その障害となっている人類を排除するというものだった。仮の肉体を得て暴走を始めたウルトロンを阻止すべく再び集結したアベンジャーズ。そんな彼らの前に、人の心を自在に操るワンダと超高速で動く肉体を持つピエトロの超人姉弟が立ちはだかる。

 

----

 

原題:Avengers: Age of Ultron

製作国:アメリカ

初公開年月:2015/7/4

監督:ジョス・ウェドン

製作:ケヴィン・ファイギ

製作総指揮:ルイス・デスポジート、アラン・ファイン、ヴィクトリア・アロンソ、ジェレミー・レイチャム、パトリシア・ウィッチャー、ジョン・ファヴロー、スタン・リー

脚本:ジョス・ウェドン

撮影:ベン・デイヴィス

視覚効果監修:クリストファー・タウンゼント

プロダクションデザイン:チャールズ・ウッド

衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン

編集:ジェフリー・フォード、リサ・ラセック

音楽:ブライアン・タイラー

出演:ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク=アイアンマン)、クリス・ヘムズワース(ソー)、マーク・ラファロ(ブルース・バナー=ハルク)、クリス・エヴァンス(スティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカ)、スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ=ブラック・ウィドウ)、ジェレミー・レナー(クリント・バートン=ホークアイ)、ドン・チードル(ジェームズ・“ローディ”・ローズ=ウォーマシン)、アーロン・テイラー=ジョンソン(ピエトロ・マキシモフ=クイックシルバー)、エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ=スカーレット・ウィッチ)、ポール・ベタニー(J.A.R.V.I.S.(ジャービス)/ヴィジョン)、コビー・スマルダーズ(マリア・ヒル)、アンソニー・マッキー(サム・ウィルソン=ファルコン)、ヘイリー・アトウェル(ペギー・カーター)、イドリス・エルバ(ヘイムダル)、ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)、ジェームズ・スペイダー(ウルトロン)、サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)、リンダ・カーデリーニ(ローラ・バートン)、キム・スヒョン(ヘレン・チョ)、トーマス・クレッチマン(バロン・フォン・ストラッカー)、アンディ・サーキス(ユリシーズ・クロウ)

 

----

 

アイアンマンやハルク、キャプテン・アメリカはじめマーベル・コミックが誇るスーパー・ヒーローたちによって結成されたドリーム・チーム“アベンジャーズ”の活躍を描く空前のメガヒット・アクション超大作の第2弾。

 

★予告★

 

 

アベンジャーズ」の第2弾が公開されたらそりゃあ観に行くし観たら楽しいですよ。楽しいですよ!

なんだけど…

ちなみにわたしは関連映画作品も網羅しておらず、コミックも未読、そもそもマーベルヒーローファンというわけでもなく、動機といえば話題作だから、巨体が戦う映画を大画面で満喫したいという程度。あ、アイアンマンは好きです。

 

地球を守るために!とかでトニー・スタークが勝手に作ったウルトロンが、人類を滅亡させようと動き出してしまい、それをアベンジャーズが阻止するって話なので、ようはアベンジャーズの失態の話ですが、わたしの場合、そんなストーリーについて、あれこれ考えるレベルにも至りませんでした。なんかウルトロンの理屈は「トゥモローランド」のニックスの言い分と似ているような気がするなー、こういう問題意識がハリウッドでは流行りなのかなー、そういえば最近はAIモノも多いなー。ぐらい。

おおまかな話の流れやメインキャラクターはだいたいわかります。しかしさすがに登場人物(人物以外も)やエピソードが多すぎて。。

 

浅い楽しみ方をしている者としては、人間の活躍は正直どうでもいいのです。この場合の人間とは厳密には人間では無い者も含みますが、人間サイズから1mmも変わらない外見を持つ者のことでして、ようはホークアイ、ブラック・ウィドウ、スカーレット・ウィッチ、クイックシルバー達のことです。ソーとキャプテンも人間サイズではありますが、飛ぶことが出来て(落ちるのではなくて“飛ぶ”です)、極端にマッチョで極端な能力があり、怪力であるならばOK!というワタクシ基準。瞬間移動のような高速移動やテレキネスは、あくまでも超能力という別ジャンルなのです。超能力モノは超能力モノとして大好物なのですが、こういうのじゃなくって!!

こういう価値観の人間にとって今回のホークアイの家族愛や、ブラック・ウィドウとハルクの恋愛や、スカーレット・ウィッチとクイックシルバーの活躍などといったものまでが全て一回の作品の中に盛り込まれてしまうと、その分わたしが喜ぶ要素が減るわけです。サイドストーリーって感じでも無いしー。

おまけにウルトロンやビジョンなども登場するもんだから、一人一人というか一体一体の見せ場とか誰かと誰かの連携とかそこに至る一応の流れなどがあるわけで、さらにペッパーは会社が忙しいとかロキがどうしたとか登場していない人物のことまで話題になるもんだから、もう何が何やら…。さすがに色々と多すぎて、個々の登場人物やエピソードに思い入れが持てなかったなあ。

 

と、若干不満めいた書き方になってしまいましたが、やっぱり楽しいですよ。スカヨハのアクションも今回はだいぶ自然に見えて良かったです。

そもそもアベンジャーズだけ観て各ヒーローを理解しようとか都合の良いこと思ってたわたしの姿勢が図々しいのです。もうちっと勉強しよっと。

次回以降は最後のあのメンバーがメインになっていくってことなのかなあ。う~ん、大丈夫でしょうか。。まあ関連作品で補強されるとは思いますが。でもロバート・ダウニー・Jrのアイアンマンのように、広く届くキャラクターはそうそう生まれないだろうしなあ。。

 

 

そしてこの記事を書くために出演者を眺めていて、ウルトロンってジェームズ・スペイダーだったんだー!と初めて気付く。さすがに地の顔が一回も出てこないとわからん。声としゃべり方は確かにとても良い感じでしたが、意外な人選。なんでだ?

『キャリー(2013年)』サイキック殺戮マシーンより恐ろしいものとは

carrie-1高校に通う内気な少女キャリー。狂信的な信仰に囚われた母親の過度な束縛によって、まともな友だち付き合いもできずに陰湿なイジメに晒される辛く孤独な日々を送っていた。そんなある日、キャリーに対するクラスメイトのイジメが一線を越え、関わった女生徒が学校から処分を受ける事態に発展する。これを不服に思った主犯格のクリスはキャリーへの憎しみを募らせる。一方いじめを反省したスーは、せめてもの償いにと、キャリーをプロムに誘ってあげてと自分の恋人を説得する。そんな中、念じるだけで物を動かす不思議な能力に目覚めていくキャリーだったが…。

 

----

 

原題:Carrie

製作国:アメリカ

初公開年月:2013年11月

監督:キンバリー・ピアース

製作:ケヴィン・ミッシャー

製作総指揮:J・マイルズ・デイル

原作:スティーヴン・キング『キャリー』(新潮文庫刊)

脚本:ロベルト・アギーレ=サカサ

撮影:スティーヴ・イェドリン

プロダクションデザイン:キャロル・スピア

衣装デザイン:ルイス・セケイラ

編集:リー・パーシー、ナンシー・リチャードソン

音楽:マルコ・ベルトラミ

音楽監修:ランドール・ポスター

出演:クロエ・グレース・モレッツ(キャリー・ホワイト)、ジュリアン・ムーア(マーガレット・ホワイト)、ジュディ・グリア(デジャルダン先生)、ポーシャ・ダブルデイ(クリス)、アレックス・ラッセル(ビリー)、ガブリエラ・ワイルド(スー)、アンセル・エルゴート(トミー)

 

----

 

スティーヴン・キングの同名小説を基に、一人の少女が引き起こす惨劇を描いたブライアン・デ・パルマ監督による76年の傑作学園ホラーを、「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツ主演で完全リメイク。

共演は「キッズ・オールライト」のジュリアン・ムーア。監督は「ボーイズ・ドント・クライ」のキンバリー・ピアース。

極端に信心深い母親のいびつな愛ゆえに学園で孤立を深めていくヒロインが、凄惨なイジメの末に辿る戦慄の顛末を、女性監督ならではの繊細な感情描写と迫力のバイオレンス演出で描き出す。

 

★予告★

 

----

 

大好きな「キャリー」のリメイクです。

ハリウッドとて、完全オリジナル映画で大ヒットが当たり前!の時代では無いようです。

デ・パルマ版「キャリー」は大好きですが、オリジナルとくらべてどうだとか、あるいは逆に超期待したりということは無く、個人的なお祭り気分で、これを機にオリジナル版も古臭いとかダサいとかの先入観で拒絶せずに観て楽しめる人が増えるといいな…ついでにサイキックホラーモノが増えたりするといいのにな…。と淡い希望を抱きながら観ました。

とは言っても、どうしたって旧キャリーの場面を思い浮かべながら観ることになるわけですが。

  

という立場での感想としては、おもしろかったです。

初っ端から見どころ満載で、飽きさせることなく最後まで楽しませてくれます。

 

 +++

 

carrie-3クロエがかわいくて、いじめっ子の女子たちよりも断然かわいくて、トミーがイケメンに思えないところはずっと違和感。

 

学園のクイーン的存在のスーが、図らずもキャリーのいじめに加担してしまい、キャリーが家族に女の子として必要な知識を教えてもらえずに育ったことに気付き、同情心とともに良心の呵責を覚え、せめて女の子として当然の楽しい思いをしてもらいたいと、自分の恋人である人気者のトミーにキャリーをプロムのパートナーに誘ってくれるように頼むのですが、なんというその場しのぎの安易で罪深い偽善。生まれてはじめて優しくしてくれた男の子は明るく楽しいイケメン。マジ惚れしてしまったときのキャリーの痛手を思うと遣りきれない。自分が友だちになろうとはしていないのとかがね。

でもクロエ版はクロエがかわいいので、少しの自信さえ取り戻せば、すぐにトミー以外のボーイフレンドも出来そうだしこれでいいのかも。

 

ジュリアン・ムーア演じるキャリーの母親マーガレットが怖くて良かった!

かねてよりわたしはジュリアン・ムーアが怖かったのですが、だいたい知的な役とか良心の人みたいな役とかまともな役で、なーんかモヤモヤしていたのですが、わたしが求めていたものはこれでした!

極端な堅物で自分が信じていることは絶対に正しく、違う考えは絶対に受け付けない狂人。

OPの自宅出産なんて、絵面も怖いけど、妊娠してたことに気付いてなかったのがもう怖すぎる。お腹大きくなって陣痛で苦しんでるのに!

清らかな自分が穢れた行為の結果である妊娠~出産なんて事態に陥るはずが無いと思い込める鋼鉄の意思。自分の信心の前には、お腹が大きくなってる事実は現実では無いのだろう。

carrie-2ちなみに、キャリーが「やめて!聞きたくない!」と懇願しても、無視してベラベラ垂れ流していた問わず語りによると、キャリーの父親とは一緒に寝ていたけれど清い関係(性交渉は無い)で、ちょいちょいどちらかがムラムラするも、神に祈って危険を回避していたらしい。しかしある日、とうとう辛抱ならずに“犯された”んだって。文字通り受け止めるならば、夫に無理矢理…のようですが、なにしろマーガレットは高度な脳内変換技術の使い手でもあるため、本当は夫に犯されたのでは無く、自分の性欲に負けたことを“犯された”と表現しているようにも思える。何しろマーガレットは自分に対して一番の嘘つきなんだもの。

 

マーガレットが働いているお店にスーのママが来たときも恐ろしかった。

ケッペキ故に、プロムで浮かれてた元同級生にいまだに嫌悪しているようでもありましたが、本当はチヤホヤされていたであろう元同級生への嫉妬っぽい。だってスーのママからは見えないところで自分の足にハサミ?刺して耐えるほどの感情って。。色恋に浮かれてる他人への嫌悪だけなら、そんなのしょっちゅうあることでしょうに。てかなんで接客しながら自傷してんの。怖いって。

 

プロムクライマックス以降のキャリーの力強さは良かったんだけど、クロエの存在が元々あまり弱々しく無いので、落差的な意味でちょっと残念。

くらべたくは無いけど、やっぱり旧作のシシー・スペイセクのあの尋常じゃない貧相さと、目線だけで発動する、攻撃相手を選別しない無慈悲な超能力が良かったのよね。

 

街全体がキャリーに破壊されるような予告がありましたが、そんな感じになってなかったんですけど。。やって欲しかった。。。

 

旧作的なエンディングでは無いです。

 

演出か編集かどっちの問題なのかわからないけど、ちょいちょいヘンテコだった。

校長室でウォーターサーバーが破裂したときとか、その場にいた三人それぞれの驚き具合と破裂の派手さがバラバラ。

お祈り監禁部屋のスケール感とか怖さとかの適当具合。

クライマックスのキャリーとマーガレットの、それぞれの刺されるカットのぶつ切り具合。

豚の血バケツをブチ撒ける直前のクリスとビリーのやり取りもごちゃごちゃごちゃごちゃと、何を揉めてるのかわけわからん。

 

 

+++

 

てなわけで、物語としてはキャリーとスーとトミーの関係をもう少し深く描いて欲しかったと思うものの、でもそんな時間割くならマーガレットのエピソードをあと10倍増やして欲しいと思いました。

 

 

オリジナルの「キャリー」を観たことがなくても、車道の真ん中に突っ立った血まみれの女が振り向き様に、向かって来た自動車の方向をキュインと変える場面は知ってるのではないでしょうか。

 

★オリジナルのデ・パルマ版「キャリー」予告★

ジョン・トラボルタも出てるよ。

 

あと、物語が一段落してやっと落ち着きを取り戻したスーがキャリーのお墓参りに行き、ソフトフォーカスの暖かい空気の中、スーがキャリーのお墓に花を置くと、突然地面から腕が飛び出してスーの腕を掴み、ギャー!!と観客をびっくりさせたと思ったらスーの悪夢でした。というオチ。このパターンもいまや陳腐化しておりますが、当時は効果満点で超話題で、「キャリー」以降こういうオチが増えたというか定番のひとつになったように記憶。

 

当時、プロムネタの青春映画、ホラー映画がたくさんありましたが、アメリカの高校生がプロムに掛ける本気っぷりは、本当にだいたいこんなんだったのかちら。大変そうだなあ。

 

 

ところで、髪が長かった頃の綾野剛を「クローズZERO Ⅱ」で初めて認識したとき、シシー・スペイセクを思い出していました。

 

『クロニクル』 もし超能力を手に入れたとしたら

chronicleいつも持ち歩いている中古のビデオカメラだけが心の友という孤独な高校生アンドリュー。ある日パーティ会場で居場所を見つけられない彼は、見かねたいとこの同級生マットとその親友スティーブに誘われ、近くの洞窟探検に向かう。そこで不思議な物体に触れた3人は、知らぬ間に念じるだけで物を動かせる超能力を身につけていた。最初はその力を他愛もないイタズラに使って満足していた3人だったが…。

 

----

 

原題:Chronicle

製作国:アメリカ

初公開年月:2013年9月

監督:ジョシュ・トランク

製作:ジョン・デイヴィス、アダム・シュローダー

製作総指揮:ジェームズ・ドッドソン

原案:マックス・ランディス、ジョシュ・トランク

脚本:マックス・ランディス

撮影:マシュー・ジェンセン

プロダクションデザイン:スティーヴン・アルトマン

編集:エリオット・グリーンバーグ

音楽監修:アンドレア・フォン・フォースター

出演:デイン・デハーン(アンドリュー)、アレックス・ラッセル(マット)、マイケル・B・ジョーダン(スティーブ)、マイケル・ケリー(リチャード・デトマー)、アシュリー・ヒンショウ(ケイシー)

 

新人監督による低予算映画にもかかわらず、予測不能の展開と思春期の若者のリアルな心理描写が評判を呼び、全米初登場1位のサプライズ・ヒットを記録してセンセーションを巻き起こしたSF青春サスペンス・アクション。

 

★予告★

 

 

2012年2月にアメリカ公開されましたが、日本では今ごろ2週間限定で劇場公開されることになりました。

アメリカやイギリスでは既にブルーレイも発売されていて、イギリス版には日本語字幕&吹替も入っていて、日本でも近々ソフト販売が予定されているらしい。だからか、劇場料金は1000円均一。公開館数も少し。

 

ということで日本未公開になりかかったと思われる作品ですが、いやいや面白かったです。

手に入れた超能力で色々試すエピソードも笑えるし微笑ましいし、後半の超能力バトルも面白かったし、テンポいいし、お話はなんとも切ないし。

1000円だし83分だし、早く観るといいですよ!

 

超能力を身に付けてあれこれ出来るようになった3人が楽しそうで楽しそうで。

孤独ないじめられっ子のアンドリューは不穏な存在なんだけど、マットとスティーブがすごくイイ奴で、この2人とだったらアンドリューも楽しい青春が送れるように思えてね。。

 

でもスティーブの家が思いのほか金持ちっぽくてちょっと嫌な予感がしてきたり、アンドリューのお母さんの具合は全く良くなる気がしないし、お父さんと分かり合える雰囲気も無い。そんな、超能力を手に入れたからってそうなんでも上手くはいくはずがない感じを、ちょっとずつ自然に入れてくる。

だもんだから、アンドリューだって陰気臭いけどお母さん想いで悪い子じゃないし、ハッピーエンドを期待してしまうんだけど、期待しつつも、こんな能力を手に入れてしまったら普通はただで済むわけが無い、とも思うわけで、物語が悪い方へ流れ出すともう心底「やめてあげて!!」「この子達をしあわせにしてあげて!!」と願わずにいられない。

 

 

大友克洋の「AKIRA」を引き合いに出す人が多いようですが、わたしは「キャリー」と「デビルスピーク」を思い出したなあ。この印象の違いは年代の差ですかね。「AKIRA」もリアルタイムでしたけど。

 

 

主役のアンドリュー演じるデイン・デハーンは「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」「欲望のバージニア」でとても印象深かったんだけど、本作が切っ掛けでブレイクしたらしいです。なるほろ。気の毒な運命を背負った少年の役がハマります。あの暗い眼に今後も期待。

 

 

――――――――――

 

 

『LOOPER/ルーパー』 30年後、僕はサイコキラーになっていた

looper2074年の世界ではタイムマシンが開発されていたが、その使用は法律で固く禁じられていた。しかし、犯罪組織は違法なタイムマシンを利用し殺人を行っている。なぜなら、その時代にはすべての人間の体内にマイクロマシンが埋め込まれ、殺人が事実上不可能になっていたのだ。そのため、彼らはタイムマシンで標的を30年前に送り、待ち構えている処刑人“ルーパー”に殺害を実行させていた。2044年、ルーパーとして30年後の未来から送られてくる標的の殺害を請け負っていた男ジョー。ある時、そんなジョーの前に標的として現われたのは、なんと30年後の自分だった。一瞬の隙が生まれ、未来の自分に逃げられてしまう現代のジョー。ルーパーは処刑を失敗すれば、即座に犯罪組織に消されてしまう運命だった。現代のジョーは、処刑を完遂すべく、すぐさま未来の自分の追跡を開始するのだが…。

 

----

 

原題: Looper

製作国: アメリカ

初公開年月: 2013年1月

監督: ライアン・ジョンソン

脚本: ライアン・ジョンソン

撮影: スティーヴ・イェドリン

編集: ボブ・ダクセイ

音楽: ネイサン・ジョンソン

出演: ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ヤング・ジョー)、ブルース・ウィリス(オールド・ジョー)、エミリー・ブラント(サラ)、ポール・ダノ(セス)、ノア・セガン(キッド・ブルー)、パイパー・ペラーボ(スージー)、ジェフ・ダニエルズ(エイブ)、ピアース・ガニォン(シド)、シュイ・チン(オールド・ジョーの妻)、ギャレット・ディラハント(ジェシー)

 

殺すべき標的が30年後の自分というひねりの利いた設定と巧みな脚本が各方面から絶賛されたSFアクション。監督は「BRICK ブリック」のライアン・ジョンソン。

 

★予告★

 

 

これちょっと前に観たんですけど、観た直後はまぁまぁ面白かったと思ったのに、だんだんあんまり好きじゃなくなってきてしまいました。

タイムトラベル&サイキックモノなので、そういう意味でありがとうの気持ちが強かったのかも。観た直後は。シド少年のブサイクさも良かったし。自己犠牲の話は大好物だし。

なんだけど、、、思い返すにつれ、なんかあんまり好意的に思えなくなってきたんですよね。。。

なんと言いますか、“点”はキラキラしてるけど、繋ぐ“線”が適当で、だもんで細かいことは気にせずに、雰囲気とかセンスを楽しむタイプの映画だと思うようになりました。なのでどうでもいいというか。

 

 

時間移動や超能力といったネタは複雑では無い。

てかそもそもSF設定が雑というかおざなり。てかSF設定は重要では無く、表面的な形だけ借りてきただけのようにさえ思え、パズルを解くような快感は全く得られず、その特殊能力、特殊事情が存在するがために派生する抗いがたい期待や失望も無い。

 

ドラマ部分も、使いたい技を見せるためのお膳立てといった様子。

特にブルース・ウィリス演じるオールド・ジョーの行動には共感が出来ない。

オールド・ジョーは俺を変えてくれた俺の妻が殺されたから過去にやってきてシドを殺そうとしてるんだけど、それってまた自分にしか目が向いていない俺に戻ってて、結局は“俺が俺が”で、身勝手さが気になり過ぎる。それで無関係の子ども二人も殺すのって意味がわからない。というかそのエピソードは必要無いような気がするんですけど。狂気ということなのかもしれないけど、それにしてはブルース・ウィリスは物足りないし、ジョセフ・ゴードン=レヴィットにしても元々そういう狂気のようなものが宿っていたようには見えなかった。妻への愛ゆえの行動って言っても、ジョーと妻のふたりの描写が淡白というか、ただ仲良さそうにしてるだけで、これといったドラマチックなエピソードが描かれていないから、感情移入出来ないっすよ。そもそもジョーの性格もよくわからないよ。

 

そういえばライアン・ジョンソン監督の前作の「BRICK」もあんまり好感持てなかったなあ。面白くないことは無いんだけど。。

 

 

とは言っても、ラッパ銃や徐々に身体損傷の歴史が刻まれるところとかはかなり好きですし、最初にも書きましたが観たときはそれなりに楽しめたので、まぁいいかな…。

と、何かに遠慮してしまうような気持ちを抱かせる作品ってありますよね。「BRICK」もそうでした。なんですかねこれ。

 

 

――――――――――

 

LOOPER/ルーパー [Blu-ray]
LOOPER/ルーパー [Blu-ray]

『デッドゾーン』 からあれこれ

高校教師のジョン・スミス(クリストファー・ウォーケン)は恋人で同僚のサラにプロポーズしたその帰り道、居眠り運転のタンクローリーに激突し、昏睡状態に陥る。

5年後に目覚めた時、サラは自分以外の男と結婚してしまっていた。

そしてジョンには、手を触れるだけで相手の未来を予知する能力が備わっていた。

 

----

 

デッドゾーン [DVD]

 

スティーヴン・キング原作で、日本では1987年に公開されたデヴィッド・クローネンバーグ監督作品。

主演はクリストファー・ウォーケン。

 

これ好きなんですよね。

クローネンバーグにしてはグロ度が低く、クリストファー・ウォーケンにしてはまともな役ですが。

  

特にウォーケン大好きな私としては、サラへの断ち切れない想いに切なくなり、家庭教師先で杖を振り下ろすときのキレっぷりにどぎまぎ。

次から次へと降りかかる不条理と、それを静かに受け止めるウォーケンがたまりません。

ごちそうさまです。

 

ウォーケンは「キング・オブ・ニューヨーク」の、笑顔から振り向き様に銃を撃つ真顔の瞬間もいいっすね〜。

 

 

 

「キング・オブ・ニューヨーク」は人気無いのでレンタルもあんまり無さそうだけどさ。。

出所後、仲間と再会して踊り出すところとかもかっこいいんだけどなぁ。。

けっこうメンツもすごいんだけどなぁ。。

 

クローネンバーグも大好きですが、「デッドゾーン」では残念ながらウギャーな場面はほとんどありません。

ストーリーも単純で分かりやすい。(原作はキングですけど)

 

でも少女連続殺人犯の最期が…なぜあの死に方を…

つまりつまり、、、自重しきれないクローネンバーグの変態さが私は大好きってことです。

 

 

そういえば「ミディアン」って映画も好きです。

 

 

 

後半、ミディアンを爆破するシーンにまじで鳥肌立ちました。でも相当昔に観たから記憶があいまい。

今、Amazon見たら中古6,799円、新品だと9,980円。。

なんで「ミディアン」かというと、クローネンバーグが出演していて、監督がクライヴ・バーカーでして・・・

 

一応説明してしまうとクライヴ・バーカーは元々イギリスのホラー作家で、「ヘルレイザー」の人です。

 

 

さらに若い頃はかなりのイケメン。「ホラー界の貴公子」とか言われてた気がする。

こういう冠って「スティーヴン・キング絶賛!」の帯と同じく大抵アレだったりしますが、この人は本当に男前。

「血の本」シリーズは短編で読みやすいので、ホラーが苦手じゃない方は一度どうぞ。

 

 

 

なんだか今回はタイトル作品に関する感想が少ないけど、、、まあいいか。

 

記事検索
QRコード
QRコード
プロフィール

shepherd2828

RSS
  • ライブドアブログ